フランケンシュタインと死者蘇生
1817年5月、メアリ・シェリーがフランケンシュタインの物語を完成させた
わけだが「フランケンシュタイン」というのは怪物の生みの親の名前で
怪物のほうではないというのはご存知だろうか?
フランケンシュタインの怪物、こんなものを人間が作ることは不可能、
という話ならただの空想にすぎなくって、イヤー良かった良かったという
結末を迎えられるわけなのだが、
…本当に不可能だと思うか?
実際問題保存状態のいい臓器なら移植可能で、内蔵を中心に臓器移植は
現実問題行われている。
あとはまあ手足移植できれば、殆どフランケンシュタインの怪物だな。
適合度の問題が解決できれば移植可能…なのか?
誰もやったことが無い(と思う)ので何ともいえないけど。
ちぎれた手足をつなぐのは今や不可能じゃないことを考えると…
手足の移植も可能?という結論は出せなくも無い。
(適合度が高ければ、という前提付きではあるが)
いやもっというと、脳さえ生きていれば殆どの臓器をつなぐのは
不可能じゃないんじゃなかろうか。
目が一番難しそうだが、まあ頭から下の臓器は上手いことやれば
つなげなくも無い、という結論でいいのではないかと思う。
つまり保存状態と適合度が要求を満たし、生きた脳があるなら、十分に
フランケンシュタインは作ることが可能と。
…冗談だろ?といいたいが可能だろうな。
そう、冷凍冬眠でも最大の問題は脳なのだ。
要は脳さえ生き返らせることが可能であれば、死者蘇生だろうと
フランケンシュタインだろうと不可能じゃない。
ではなんで人間の脳はそんなにもろいのか?
結論から言おう。脳のサイズが大きすぎるからだ。
他の動物に比べ極端に大きい人間の脳は、極端に大きなエネルギーと
大量の酸素を必要とし、しかももろい。
人間っていっても動物で、脳さえやられなきゃそうそう死なないが、
脳がやられたときの影響は他の生物の比ではない。
人間って強いようでもろいってのは、要は脳が死にやすいためなのだ。
…おいおいおい、だとしたらアレか?
動物のほうがフランケンシュタインを作るのは簡単じゃないか、
って結論ってのはアリですか?
はっきりいって怪物なんぞより、そんなことを思いつける人間のほうが
よっぽどおぞましい生物なのかもしれない。
フランケンシュタインの怪物は、実は心やさしい存在だった。
もしかしたら人間であろうと思わなければ悲劇は生まれなかったかも知れん。
といってもよ、「ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、
越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう」(by夏目漱石)。
フランケンシュタインの怪物ですらない人間は、人間をおぞましい存在と
思いながらも尚、人間として生きていかなきゃならんのだ。
…つーか科学者も哲学やれよ。倫理学べよ。文学読めよ。
科学者ももっと他の分野学べよ。開いてる奴(byキムタク)になろう。
今の俺はどっちかっつーと、閉じてる?